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ビジネス 働き方

CASEとMaaS

最近CASEやMaaSという言葉をよく耳にします。

言葉の意味を調べてちょっとした考察を加えてみました。

CASE

ダイムラーのディエター・チェッチェ会長が2016年のパリモータショーで発表した、今後の自動車づくりの方向性を示すキーワードの頭文字を集めた造語です。

Connected

自動車はインターネットに接続される

Autonomous

自動運転のレベルアップ

Shared & Service

保有するから共有するへ

Electric

電動化

 

この4つのキーワードの中で、C・A・E の3つは技術的な変化です。

自動車をとりまく環境変化、というよりも使われ方やユーザニーズの変化を表しているのは3番目のShared&Serviceだけです。

残りの3つは、このユーザニーズの変化を具現化するための技術要素です。

身の回りの変化

周囲の若い人たちを見渡すと、彼らは既に車を保有することに魅力を感じていないみたいです。

情報体験へのシフト

車以外の楽しみ方の選択肢が増えたことは大きな社会変化だと思います。

ゲームやネットを始めれば、退屈することはなく逆に興味を絞り込まないと時間がいくらあっても足りない環境になりました。

思い起こしてみると、バブル期は暇だからドライブでも行こうが当たり前の感覚でした。

それに比べて今の若年層は、そもそも暇を持て余すという状態が無いようです。

車の保有がステータスでなくなった

かつでバブル期は高級車を保有することがステータスでした。

工場勤務の若者がクラウンを買うために昼食を我慢することが日常の中でおきていました。

2000年代に入ってからでしょうか、高級車よりも実用的なワンボックスカーに人気が集まるようになりました。

人が車に求めるものがステータスから実用的な機能に変化したタイミングだと思います。

現在では自動車にステータスを求める人はずいぶん減ったのではないでしょうか。

相対的に貧しくなった

バブル崩壊から長い低成長経済の中で、車は高付加価値化を続け自動車産業の成長を支えてきました。一方で国内経済は低成長を続け所得が伸び悩みました。

若年層の給与が安く昇給幅も抑えられているので、会社員が車を保有することに限界が来ているのではないでしょうか。

MaaS

車を購入できる層が減少していく中で、従来の自動車を作って売るというビジネスモデルが成り立たなくなりつつあるようです。

自動車メーカはハード(車)の販売で利益を上げる代わりに、車が本来持っている機能である「個人が自由に移動する」という欲求を満たすことで収益を図る方向にシフトせざるを得ない状況になりつつあります。

このキーワードがMaaSで、Mobility As A Serviceの単語の頭の文字をつなげた造語です。必要な時にサービスとしてのモビリティを提供するという意味でしょうか。

必要な時に玄関の前に車があれば良いので、インターネットを通じて玄関まで空車が予約時間に待機していれば、ユーザの利便性は失われません。

そのために必要な技術課題はほぼ目処が立っており、残る課題は制度や法律との擦り合わせに移りつつあります。

このビジネスモデルでは車両を保有しないので、市場に必要な車両台数=生産台数が激減することになります。

このことはこれまで自動車産業を支えてきたモノづくりのサプライチェーンにお金が回らなくなることを意味します。

自動車産業を支えてきたサプライチェーン

自動車メーカは、車両の限られたスペースに付加価値機能をたくさん詰め込むことで購買意欲を刺激し、競争力を確保してきました。

1台の車両に数万点の部品が詰め込まれています。

そして、車両の内部スペースを確保するために車種グレード別に同じ機能の部品でもサイズ形状が異なります。

結果として自動車組立工場への供給部品のバリエーションは膨大な点数となります。

その膨大なバリエーションの部品を組み立てて自動車が作られるのですが、組み立てる時に全ての部品が揃っていないとラインが止まってしまいます。

ラインの停止リスクを恐れて過剰な部品在庫を持ってしまうと在庫金額が膨大となり、キャッシュフローが悪化してしまいます。

在庫を最小限にするために、必要な量を必要なタイミングで供給する仕組みが必要です。

この仕組みを構成するのが、部品供給システムとしてのサプライチェーンです。

系列メーカを軸にしたTier1サプライヤで更にそこからTier2、Tier3が部品供給システムとして構成されています。

車両メーカから流れてくる情報通りに部品を作って供給する巨大なモノづくりチェーンが、これまでの自動車産業の競争力の源泉でした。

市場ニーズの変化はこの巨大なサプライチェーンを維持する資金を賄えなくなることを意味します。

現在起きている、Tier1以下の整理統合の流れはこの第一歩です。

次の流れは、それぞれのプレーヤの役割の変化になると思われます。

サプライチェーンの流れに沿って部品を作るという役割から、C・A・E技術を統合する役割に変わっていくと思われます、しかも急速に。

これまで愚直にモノづくりに努めてきた人たちが、愚直さで乗り越えられる変化だとは思えません。

この変化は結構大きなダメージを社会に与える気がします。

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